本セクションは、Kubernetesシステムの各パートと、クラスターを表現するためにKubernetesが使用する抽象概念について学習し、Kubernetesの仕組みをより深く理解するのに役立ちます。
Kubernetesを機能させるには、Kubernetes API オブジェクト を使用して、実行したいアプリケーションやその他のワークロード、使用するコンテナイメージ、レプリカ(複製)の数、どんなネットワークやディスクリソースを利用可能にするかなど、クラスターの desired state (望ましい状態)を記述します。desired sate (望ましい状態)をセットするには、Kubernetes APIを使用してオブジェクトを作成します。通常はコマンドラインインターフェイス kubectl
を用いてKubernetes APIを操作しますが、Kubernetes APIを直接使用してクラスターと対話し、desired state (望ましい状態)を設定、または変更することもできます。
一旦desired state (望ましい状態)を設定すると、Kubernetes コントロールプレーン が働き、クラスターの現在の状態をdesired state (望ましい状態)に一致させます。そのためにKubernetesはさまざまなタスク(たとえば、コンテナの起動または再起動、特定アプリケーションのレプリカ数のスケーリング等)を自動的に実行します。Kubernetesコントロールプレーンは、クラスターで実行されている以下のプロセスで構成されています。
Kubernetesには、デプロイ済みのコンテナ化されたアプリケーションやワークロード、関連するネットワークとディスクリソース、クラスターが何をしているかに関するその他の情報といった、システムの状態を表現する抽象が含まれています。これらの抽象は、Kubernetes APIのオブジェクトによって表現されます。詳細については、Kubernetesオブジェクト概要 をご覧ください。
基本的なKubernetesのオブジェクトは次のとおりです。
上記に加え、Kubernetesにはコントローラーと呼ばれる多くの高レベルの抽象概念が含まれています。コントローラーは基本オブジェクトに基づいて構築され、以下のような追加の機能と便利な機能を提供します。
Kubernetesマスターや kubeletプロセスといったKubernetesコントロールプレーンのさまざまなパーツは、Kubernetesがクラスターとどのように通信するかを統制します。コントロールプレーンはシステム内のすべてのKubernetesオブジェクトの記録を保持し、それらのオブジェクトの状態を管理するために継続的制御ループを実行します。コントロールプレーンの制御ループは常にクラスターの変更に反応し、システム内のすべてのオブジェクトの実際の状態が、指定した状態に一致するように動作します。
たとえば、Kubernetes APIを使用してDeploymentオブジェクトを作成する場合、システムには新しいdesired state (望ましい状態)が提供されます。Kubernetesコントロールプレーンは、そのオブジェクトの作成を記録します。そして、要求されたアプリケーションの開始、およびクラスターノードへのスケジューリングにより指示を完遂します。このようにしてクラスターの実際の状態を望ましい状態に一致させます。
Kubernetesのマスターは、クラスターの望ましい状態を維持する責務を持ちます。kubectl
コマンドラインインターフェイスを使用するなどしてKubernetesとやり取りするとき、ユーザーは実際にはクラスターにあるKubernetesのマスターと通信しています。
「マスター」とは、クラスター状態を管理するプロセスの集合を指します。通常これらのプロセスは、すべてクラスター内の単一ノードで実行されます。このノードはマスターとも呼ばれます。マスターは、可用性と冗長性のために複製することもできます。
クラスターのノードは、アプリケーションとクラウドワークフローを実行するマシン(VM、物理サーバーなど)です。Kubernetesのマスターは各ノードを制御します。運用者自身がノードと直接対話することはほとんどありません。
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